消化器系疾患や泌尿器系疾患で、病巣を取り除いた際に便、尿を体外に出すための経路を作ることがあります。
これがストーマです。
消化管を外出ししたものを消化管ストーマ、尿路を確保したものを尿路ストーマと呼びます。
ストーマを使うと、トイレで従来通りの排尿や排便はできなくなります。
尿意や便意を感じてトイレに行くのではなく、尿や便が体外に出続ける状態になるため、ストーマ装具で制御する必要が出てきます。
これまでできていたことができなくなったことで、自尊心が傷つく人も少なくありません。
ストーマは粘膜で覆われているため、柔らかく、赤い色をしています。
ただし、ストーマには括約筋がないので、泣いたり叫んだりして、腹部に力が入ると容易に排泄物が外に出てきます。
出てきた排泄物で皮膚がただれることも少なくないため、皮膚保護剤を用います。
ストーマケアとはストーマ保有者が快適な生活を送ることができるようにする行為です。
例えば、ストーマ袋と呼ばれる排泄物をためておく袋の交換手順を本人が覚えることで、徐々に身体の一部であるという認識に変ります。
排泄物についてはストーマ袋の30%程度までたまったら交換の目安です。
ストーマ袋を留めている輪ゴムを外して、排泄物をビニール袋に移します。
交換時には皮膚の炎症やストーマからの出血の有無を確認します。
炎症がひどい、出血が止まらないといったトラブルが発生した場合はストーマの皮膚・排泄外来に連絡しましょう。
なおストーマを保有している人については障害者手帳の交付を受けることができ、交付を受けるとストーマ用品の給付申請が可能です。
また、障害年金の受給申請もできます。